音声メッセンジャーの作製

はじめに

Information Storage Device社のISD1416Pを使った音声録音再生器です。手をかざすと、録音した内容を再生します。(2008年)

概要

フォトリフレクタが近くに物体を検知すると、ISD1416Pに再生トリガーが入力され、録音内容を再生します。

ISD1416Pについて

ISD1416Pは、最大16秒の録音再生が可能なICで、メモリーは160セルに分割されており、1セルあたりの録音再生時間は0.1秒です。録音開始及び再生開始アドレスは1セル単位で指定でき、ICのA7~A0ピンにバイナリ形式(00000000~10011111)で指定します。また、マイク入力および内蔵マイクアンプ、ライン入力、スピーカー出力なども備えており、オールインワンのICです。但し、スピーカー出力は音量が小さいので、作品では別途オーディオアンプIC LM386で増幅しています。なお、ISD1416Pは既に製造を終了してますが、回路図および関連資料はダウンロードタブにアップしておきましたので参考にして下さい。

フォトリフレクタについて

フォトリフレクタは、検出物に反射した発光素子(発光ダイオード)の光を受光素子(フォトトランジスタ)が検知して物体を検出する光センサーで、近接センサーとして自動水栓など様々な場面に使われています。似たようなセンサーに、フォトインタラプタがあります。こちらは、対向する発光素子と受光素子の間を検出物が遮ると物体を検出するタイプです。作品では、タイマーIC 555を使って発光ダイオード(赤外LED)を10kHzで点滅させています。

結果

某社の防虫グッズに回路基板/スピーカー/センサー/マイク等を組み込んでみました。(下写真)
使い方は、本体上の録音スイッチを押してマイクに向かってしゃべります。スイッチを押している間、録音されます。センサーに4 cmほど手を近づけると録音した音声を再生します。音声は、録音スイッチを押す度にメモリーの最初のアドレスから上書きされるので、前の録音が長いとメッセージが残ってしまいます。メモリークリアが無いので、全て消去するには16秒以上静かな状態で録音スイッチを押し続けます。また、メモリーを区切って短いフレーズをいろいろ録音しておき、マイコンなどからそれぞれのアドレスを制御すれば、フレーズを組み合わせて再生することができます。

まとめ

伝言だけならスマホの無料メッセージアプリで事足りますが、音声ならではの良さもあると思います。また、家族や親しい人の音声メッセージを気軽にいつでも再生できるので、単身赴任や地元を離れて一人暮らしの人にお薦めです。

以上