ワイヤレスLED照明ユニットの作製

はじめに

本作は、ワイヤレスLEDモジュールを給電ユニットで光らせ、デコレーションさせるものです。ワイヤレスLEDなので、自由に配置して点灯させることができます。

構成

・給電ユニット:OSWPTS1208D(OptoSupply)
ワイヤレスLEDを点灯させるための給電モジュールです。動作電圧はDC5V~9V、動作周波数は60kHzです。ワイヤレス充電および電力管理システムに使用されるCMOSプロセスICが使われているとのことです。


・ワイヤレスLED:OSWM43-x5W(OptoSupply)
給電ユニットのコイル誘導起電力で点灯するLEDです。コイルに近づけると点灯します。大きさは5mmと小さく、温白色/白/青/紫/緑/黄/赤の発光色があります。

左下は、給電ユニット9V動作時のコイル内に置いたインダクターの電圧をオシロスコープで観察した様子です。データシートどおり、60kHzの発振が確認できます。
右下は、同じくコイル内に置いたワイヤレスLEDの発光状態です(光拡散キャップを装着)。デコレーションに使える明るさです。

内容

給電ユニットに動作電圧を印加すればワイヤレスLEDは点灯しますが、本作はPICマイコンで給電ユニットのVDDをPWM制御してLED光を変化させます。VDDのPWM制御は電源電圧を不安定化させることなので、給電ユニットに悪影響を及ぼす可能性があります。VDDの制御は、自己責任でお願いします。

下は回路図です。
データシートより、給電ユニットの最大出力電流は500mA@VDD=9VなのでVCC=9Vで駆動します。一方、使用するPICマイコン12F1822のVDDは1.8V~5.5Vなので、レギュレーターIC 4805でVCCを5Vにして給電します。この場合、給電ユニットとPICマイコンで動作電圧が異なるため、MOSFETを介して給電ユニットを制御しています。なお、給電ユニットの(-)端子はGND接続なので、PチャネルMOSFETを使用します。また、給電ユニット2つを制御できます。SW1は、点灯モード(定常点灯/周期点灯)切り替えスイッチです。

下は、ソースコードの主ループです。
PWM制御は、プログラムで行っています(過去記事「フルカラーLEDの実験」参照)。PICマイコン内蔵ADCモジュールで、VDD=5Vをリファレンスに可変抵抗でAD変換した値から、定常点灯では光量を、周期点灯では点灯周期を制御します。また、周期点灯では2組の給電ユニットが交互に、徐々に明るく、徐々に暗くを繰り返します。

結果

下は、照明ユニット完成と制御基板です。
ユニット本体は、市販のティッシュペーパーケースを利用しました。ユニット天板の長穴から給電ユニットのコイルを引き出し、その上にデコレーションする物を置いてワイヤレスLEDを配置します。長穴の範囲でコイルを動かせます。

下は、メタリック・クラシックカーの模型をデコレーションした様子です(動画はここ)。動画前半は定常点灯の光量変化、後半は周期点灯の周期変化です。

ワイヤレスLEDを明るく点灯させるには、給電ユニットのコイルの磁界の向きにLEDを合わせます。また、磁界が強いコイルの内側にLEDを配置します。

おまけ

以下は、本作の他にアイデア出ししたアイテムです。興味があれば試してみて下さい。なお、結果について筆者は責任を負いません。

・光るウキ
水面位置に浮かべた給電ユニットのコイルの中にワイヤレスLED内蔵のウキを浮かせ、ウキが沈むとLEDがコイルに近づき光ることで魚の当たりを知らせるというもの。(波の無い釣り堀用)

・光るダーツ矢
的の中心に給電ユニットのコイルを仕込んでおき、ワイヤレスLED内蔵の矢が的の中心に刺さると矢が光るというもの。(光をデコレーションすればエキサイト!)

・光るコースター
給電ユニットを仕込んだコースターをワイヤレスLEDで光らせ、そこに置いたグラスにLED光が反射するというもの。(グラスや気分に合わせてLED色をセレクト)

– 以上 –